【殺人】静岡県長泉町 69歳義母を包丁で刺殺 31歳義娘逮捕...事件直後、第1発見者装う
【判決】長泉殺人懲役15年判決 被告の無罪主張 「供述信用できない」
【控訴審】無罪主張の控訴棄却 東京高裁
【最高裁判決】33歳女懲役15年確定へ 最高裁が上告棄却

女は女性の息子の妻で、事件直後に第１発見者を装っていた。
　逮捕容疑は３月１０日、自宅で女性の胸や腹などを刃物のようなもので刺すなどし、殺害した疑い。女性の死因は血気胸だった。
　事件は同日午後６時５０分ごろ、女が「母が刺された」と１１９番したことで発覚。女性は玄関先で倒れていて、搬送先の病院で死亡が確認された。女は当初、同署などに「物音がしたので、２階から降りて行ったら男が逃げていくのを見た」などと話していたという。

現場に残されていた凶器とみられる包丁は女性宅のもので、室内からは血の付いた衣類が見つかっていたという。
　女性は長男と女との３人暮らし。事件当時、家には女と女性の２人だけで、事件直後から女の供述に曖昧な点があったという。また、現場がＪＲ三島駅近くで、交通量の多い時間帯だったにもかかわらず、周辺の防犯カメラ映像や目撃情報で、犯人とみられる人物が確認できなかったことなどから、同署などは女が関与した可能性を視野に入れ、捜査を進めていた。

麻衣容疑者は長男の妻で、去年から同居していたということです。
近所の人　「息子をちゃんと送り出して、ご飯の支度もちゃんとしてくれるし、あんなにいいこだ、いいこだってほめてたのに、そんないい子に殺されちゃうなんて」

警察は自宅の包丁が凶器とみて捜査を進め、何者かが家に侵入した痕跡が確認できなかったことなどから単独での犯行とみて２０日逮捕しました。
警察は認否を明らかにしておらず、２人の間にトラブルがなかったかなど詳しく調べています。

　義母を包丁で刺して殺害したとして殺人罪に問われた長泉町下土狩、無職諏訪部麻衣被告（３３）の裁判員裁判で、静岡地裁沼津支部は３日、懲役１５年（求刑・懲役１８年）の実刑判決を言い渡した。公判での諏訪部被告の無罪主張について、菱田泰信裁判長は、「被告人の供述は信用できない」と退けた。
　判決によると、諏訪部被告は２０２０年３月１０日、長泉町下土狩の自宅で、同居の義母則子さん（当時６９歳）の胸などを、家にあった包丁で複数回突き刺し、殺害した。
　菱田裁判長は判決で、犯人が着用していた衣類が洗濯機内にあり、家にあった包丁が犯行に使われたことなどから、「間取りなどに相当に詳しく、居住者以外が犯人である可能性は常識的に考えられない」と指摘。事件当時、諏訪部被告と則子さんの２人きりだったとして、「被告人が犯人であることは明らか」と結論づけた。また、殺害計画と考えられるメモが見つかったことは、「被告人が犯人であることを支持する事実」と評価した。
　弁護側は「諏訪部被告が真犯人を目撃している」などと無罪を主張したが、菱田裁判長は「犯行現場に第三者がいたことを疑う事情がなく、供述は信用できない」と退けた。
　菱田裁判長は、量刑の理由について、則子さんの体に刺し傷などが２６か所あったことを踏まえ、「強固な殺意のもとで執拗な加害行為があり、被害者の恐怖や苦痛も計り知れない。被告人にくむべき事情もない」と述べた。
　判決を受けて、諏訪部被告の弁護人は、控訴する意向を示した。
　公判終了後、裁判員などを務めた６人が記者会見し、裁判員の一人は「決定的なものがなく、悩むところが多々あった」と話した。

　長泉町の自宅で２０２０年３月、無職の女性＝当時（６９）＝を刺殺したとして、殺人の罪に問われた長男の妻の無職の女（３３）の控訴審判決で、東京高裁は４日、懲役１５年とした一審静岡地裁沼津支部の裁判員裁判判決を支持し、無罪を主張する被告側の控訴を棄却した。
　被告側は、一審に続き第三者の犯行を主張していたが、細田啓介裁判長は判決理由で、犯人は被害者宅の衣類などを犯行着衣として着用できる者としか考えられないと指摘。「犯人像を満たすのは、犯行現場にいた被告だけという原判決の判断は相当」と退けた。
　控訴審判決によると、被告は２０年３月１０日、自宅で同居する女性の胸などを包丁で複数回、突き刺すなどして殺害した。
　判決後、被告の弁護人は判決を不服として最高裁に上告した。

2020年3月、静岡県長泉町の自宅で義理の母親を殺害した罪に問われた女の上告審で、最高裁判所は11月8日付けで上告を棄却する決定をしました。
上告が棄却されたのは33歳の女です。判決によりますと、女は2020年3月、長泉町下土狩の自宅で義理の母親(当時69)の胸を包丁で複数回刺して、殺害しました。
公判で女が無罪を主張したのに対し、静岡地裁沼津支部の判決は、自宅の洗濯機やごみ箱で見つかった犯行時の着衣とみられる衣類や、殺人の計画を思わせる被告が作成したメモの存在を指摘、第三者の関与を疑う事情がなく「犯人を見たという被告の供述は信用できない」と判断しました。
二審の東京高裁判決も一審判決を支持、最高裁判所は11月8日付けで上告棄却の決定をしました。これで懲役15年とした一審、二審の判決が確定します。