【殺人】福井市黒丸城町 16歳孫を複数箇所刺し殺害 86歳祖父逮捕...近隣「温厚な性格なのに」
(続報)孫殺害疑いの祖父 鑑定留置
【判決】高2孫刺殺の88歳祖父に懲役4年6月
【控訴審】二審も実刑 高裁金沢

　福井市の無職・冨沢進容疑者は9日夜に自宅で同居する孫で高校2年生の友美さん（16）を刃物で複数回刺して殺害した疑いが持たれています。

冨沢容疑者は友美さんの父親に異変を知らせる内容の電話を掛けていて、10日午前0時に駆け付けた父親が1階で倒れている友美さんを発見したということです。友美さんは胸など複数箇所を刺されていて、搬送先の病院で死亡が確認されました。

友美さんは2カ月ほど前から親元を離れて冨沢容疑者の家で生活をしていたということです。

司法解剖の結果、上半身に複数の刺し傷が見つかったが、死因は特定できなかった。

冨澤容疑者は友美さんと2人暮らし。

妻が病気で入院したため1人暮らしになった冨澤容疑者の元を以前から友美さんとその両親らが時々訪れ、食事を作るなど世話をしていた。7月ごろから、友美さんが冨澤容疑者宅に同居するようになったという。
　近くの男性は、冨澤容疑者が毎日のように自宅敷地内を歩いたりする姿を見かけていた。数日前の夕方には冨澤容疑者と立ち話をしていたところ、友美さんが家から出てきて男性に頭を下げてあいさつし、「じいちゃん、ご飯」と声を掛けていたといい、「（冨澤容疑者は）温厚な性格。その時も変わった様子はなく、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった」と声を落とした。

　福井市の住宅で高校2年の冨沢友美さん（16）を殺害したとして、殺人の疑いで逮捕、送検された同居の祖父進容疑者（86）について、福井地検が鑑定留置を請求し、認められたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。
　高齢であることに加え、事件時に飲酒していたとみられることから、刑事責任能力の有無や程度を慎重に調べる必要があると判断した。

福井市の住宅で令和２年、同居する高校２年の孫娘＝当時（１６）＝を刺殺したとして、殺人の罪に問われた冨沢進被告（８８）の裁判員裁判で、福井地裁（河村宜信裁判長）は３１日、懲役４年６月（求刑懲役８年）の判決を言い渡した。
アルツハイマー型認知症を患う被告の刑事責任能力と量刑が争点だった。検察側は「孫と言い争いになりストレスを感じるなど明確な動機があった」と強調し、認知症の影響はなく、限定的な責任能力がある心神耗弱状態だったと指摘していた。
弁護側は「孫をかわいがっており、殺す気持ちがあるとは考えられない」と反論。認知症や飲酒の影響で心神喪失状態だったとして無罪を主張していた。
起訴状によると、２年９月９日夜、殺意を持ち、孫の友美さんの首を包丁（刃渡り約１７センチ）で突き刺すなどして殺害したとしている。

　福井市の住宅で2020年、同居する高校2年の孫娘＝当時（16）＝を刺殺したとして、殺人罪に問われた冨沢進被告（89）の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部は26日、懲役4年6月とした一審福井地裁判決を支持、控訴を棄却した。
　弁護側は、アルツハイマー型認知症や飲酒の影響で被告が心神喪失状態だったとして無罪を主張していた。
　森浩史裁判長は判決理由で、孫娘の傷は首の後ろに集中し、致命傷は深さ8センチに達していたとして「横になっていた孫娘を意図的に刺したと合理的に推認できる」と指摘した。