千葉・酒々井のバラバラ遺体事件

2016年9月12日、千葉県酒々井(しすい)町で、25歳の姉が、同居する弟の竹内諒さん(21)の遺体をバラバラにし、死体損壊・遺棄容疑で逮捕されるという事件がありました。姉の愛美(えみ)被告はその後、死体損壊と死体遺棄に加え、諒さんを刃物で殺害したという殺人罪でも逮捕・起訴されています。

初公判は、今年2月、千葉地裁で行われました。

 裁判で愛美被告は、弟の諒さん=当時(21)=の死体を損壊・遺棄したことについては概ね認めたものの、殺人罪については争う姿勢を示した。弁護側は、包丁を持つ諒さんが暴行する状況に危険を感じた愛美被告が、諒さんを包丁で刺し死なせてしまったもので、殺意はなかったとして正当防衛を主張していた。

殺人罪の適用をめぐり、弁護側と検察側が争う構図で展開した愛美被告の裁判員裁判。21、22両日には被告人質問が行われ、愛美被告自身の言葉で事件が語られた。

平成28年8月31日午後、自宅2階の諒さんの部屋で2人は口論になり、包丁を手に蹴る諒さんを別の包丁で「反射的に刺した」。詳細については覚えていないとしたが、「諒に声をかけても反応がないから、死んでいると思った。そこから記憶がなくて、気付いたらアルバイト先のスーパーのレジに立っていた」

引用:産経ニュース 2018/2/28

そして3月5日、竹内愛美(えみ)被告(26)の裁判員裁判の判決が千葉地裁であり、高木順子裁判長は「殺意があったと断ずることはできない」と述べて殺人罪の成立を否定、傷害致死罪を適用して懲役10年(求刑・懲役18年)を言い渡しています(検察側は控訴を見送ったが、被告側はこの判決を不服として控訴)。

年若いきょうだいによる殺人事件、また、家族同士とはいえ、人ひとりの命を奪ったにしては、あまりにも量刑が軽いように思われ、非常に不可解な事件であったことを覚えています。7/1の東洋経済オンラインに、このきょうだいの家庭環境にせまる記事が掲載されていました。

21歳弟を姉が殺す悲劇生んだ異様な家族事情 「育児放棄の傷」は大人になっても消えない

記事では、精神疾患を罹患し休職していた父親(事件時にはすでに亡くなっていた)や、子供たちに虐待をしていた母親のことなどが書かれています。両親の離婚とともに、4人の子供たちもばらばらに暮らすようになり、家族とは名ばかりの家庭環境であったことが推測されます。

精神鑑定を担当した鑑定人は、愛美被告を「機能不全家族で育ったサバイバー」だと評した。「機能不全家族」とは、家庭内に育児放棄や虐待などが存在し、無意識的に子どもが抑圧されてしまう家族のことを指す。こうした環境で育った子どもは、成長の過程で愛情を得る機会が乏しく、自尊心や自己愛、他者への共感などが欠けることがあるといわれている。事件の被害者である諒さんも同じサバイバーであり、また母親から特に暴力を受けていた。

凶悪な事件が起きたとき、加害者の親にまで責任を求めることに対しては、賛否両論があります。しかし、まったく関係ないとは言い切れないことを考えさせられます。