【殺人】【判決】富山市太郎丸 25歳兄をハンマーで殴り殺害した疑いで逮捕された無職の22歳弟 懲役11年の判決

高畠容疑者は、13日午後0時40分ごろ富山市太郎丸の実家で兄の丈治さん（25）の頭をハンマーで複数回なぐり、殺害しようとした疑いがもたれています。
兄の丈二さんは病院に運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました。
警察は、容疑を殺人に切り替えて捜査を進めていますが、調べに対し高畠容疑者は何も語っていないということです。

　１３日午後０時４５分ごろ、富山市太郎丸の住民から「（近くの民家の）母親が助けを求めてきた。息子２人のけんかで、母親が巻き込まれたようだ」と１１０番通報があった。富山中央署員が駆けつけると、民家に住む無職、高畠丈治さん（２５）が室内で倒れているのを発見した。

警察は容疑を殺人に切り替えて１５日、春樹容疑者の身柄を富山地方検察庁に送りました。
丈治さんは、金属製のハンマーで頭などを複数回殴られたとみられていますが、捜査関係者によりますと丈治さんは住宅の玄関付近に倒れていたということです。
警察は、兄弟の間に何らかのトラブルがあった可能性もあるとみて、詳しいいきさつを調べています。

16日の司法解剖の結果、丈治さんの死因は、前頭部から後頭部まで多数の損傷を受けたことによる外傷性ショックだったことが分かりました。
また、両腕には抵抗する際にできたとみられる皮下出血もみつかったということです。
警察の調べに対し高畠容疑者は、これまで何も話していませんでしたが、「殺意をもって犯行に及んだ」と容疑を認める旨の供述をしていることが新たにわかりました。

３年前、富山市内の住宅で、当時２５歳だった兄の頭をハンマーで殴るなどして死亡させた罪に問われている２４歳の被告に対し、富山地方裁判所は、懲役１１年の判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、富山市の無職、高畠春樹被告（２４）は、令和２年１１月、当時２５歳だった兄が暮らしていた住宅で、兄の頭を金属製のハンマーで複数回殴るなどし、死亡させたとして殺人の罪に問われています。
これまでの裁判では、高畠被告の自閉症スペクトラム障害による犯行への影響の有無が争点となり、検察側は影響はなかったとして懲役１５年を求刑したのに対し、弁護側は殺意の形成や犯行に至るいきさつに影響したとして刑を軽くするよう求めていました。
３１日の判決公判で富山地裁の細野高広裁判長は犯行の動機について、「精神障害があった兄の言動などに不満や恨みを募らせたことや兄と一緒に暮らしていた家族が迷惑を被っていると考えて犯行に及んだ」と指摘しました。
一方、「ハンマーで殴打し続けたことは、自閉症スペクトラム障害の特性が影響していた可能性が高い」と認定しました。
そのうえで「被告人と被害者の双方に精神障害があったことから両者が関係を修復することが困難だった可能性が否定できない」として、懲役１１年の判決を言い渡しました。
判決を受けて高畠被告の弁護士は「控訴するかどうかは被告と協議する」としています。