【介護殺人,放火】千葉県旭市 自宅に火を付け、67歳夫と32歳息子を殺害 65歳妻逮捕「介護に疲れた」
(続報)千葉・旭の殺人・放火 容疑の女を鑑定留置
【判決】夫と息子を放火殺人の罪 女に懲役20年

自宅に火を付けたことを認めているという。
　逮捕容疑は１７日午前６時３０分ごろ、自宅に放火し、同居していた夫の芳男さん（６７）と息子の芳人さん（３２）を殺害した疑い。室内で灯油のまかれた跡が見つかり、同署が詳しく調べている。

芳人さんには重度の身体障害があり、寝たきりの状態だった。芳男さんも寝たきり状態で、大橋容疑者が２人を介護していたという。大橋容疑者も身体的な障害を抱えており、同署は家族内でのトラブルの有無などを捜査している。

大橋とし子容疑者（65）が「息子を殺すつもりはなかった」と供述していることが19日、捜査関係者への取材で分かった。「介護に疲れた」という趣旨の説明もしており、県警が詳しい状況を調べている。

芳人さんは重度の障害があり、数年前から寝たきりの状態、芳男さんも数カ月前から病気でほぼ寝たきりだった。

千葉地検は３日、自宅に火を付け、夫と息子を死亡させたとして、殺人と現住建造物等放火の疑いで逮捕された千葉県旭市三川の無職、大橋とし子容疑者（６５）の鑑定留置を始めたと明らかにした。期間は来年３月１１日まで。

千葉県旭市で自宅に放火し、寝たきりの夫と障害を持つ息子を殺害した罪に問われている女の裁判員裁判で、千葉地裁は懲役20年を言い渡しました。
　大橋とし子被告（66）は去年11月、旭市の自宅に火を放ち、夫の芳男さん（当時67）と息子の芳人さん（当時32）を殺害した罪に問われています。
　大橋被告はこれまでの裁判で、放火したことなどを認める一方で「息子を殺害するつもりはなかった」などと起訴内容を一部否認し、動機に関しては、夫が寝たきりになり家計が苦しくなったことでこれ以上は生活できないと考え、自宅に火をつけ芳男さんと一緒に死のうとしていたなどと証言していました。
　今月22日、千葉地裁で開かれた裁判で、裁判長は「犯行後、息子を助けようとはしたが、息子が死に至る危険性は認識していた」とし、息子への殺意を認め、「自力で逃げ出すことができない夫のベットに灯油を撒き、生きたまま身体を火で焼かれるという甚大な恐怖や苦痛を与えながら確実に死に至らしめるもので、強い殺意にもとづく、極めて残虐な犯行である」「寝たきりで動けない状態の息子がいる状況で火をつけており、むごい犯行である」と指摘しました。
　動機については「預金が底をついたわけではなく一定の収入が見込まれていたのに、生活水準を落としたくないなどの考えから、収入を大幅に上回る支出を続けて生活資金を取り崩したうえ、見栄を張りたいという思いから行政の支援も受けようとしなかった」として、「犯行動機は身勝手かつ短絡的といわざるを得ず、放火をして2名の命を奪うという重い犯罪に及んだ意思決定は強く非難されるべき」とし「被告は夫と息子の介護は辛いことではなく、犯行動機と関係ないと話していることからも、酌むべき事情とは認められない」などとして求刑通りの懲役20年の判決を言い渡しました。